今回のテーマはどのタイミングで病院に行くべきかです。
人間の体には自己治癒力が備わっており、大抵の怪我や痛みはほうっておいても治ることがほとんどです。ですが、その経験からほうっておいても大丈夫だろうと考える方が多いような印象を受けます。
私は、病院で整形外科の患者さんを見ることもあるのですが、もっと早く、病院に来てもらっていたらもっと簡単に治療ができたのにと感じることも多いです。
病院という場所が受付やら待ち時間やら、何かと時間を持っていかれるため、できることなら行きたくないと考える方も多いかと思いますが、後々、症状が重くなってどうしようもなくなるよりも、早めの対応をおすすめします。
なので今回は、どのような症状が出ていたら病院に行くべきか。また、行かなくても済むのかを書かいていきたいと思います。
目次
すぐに病院へ!
腰痛を例に解説していきます。はじめに、できるだけすぐに病院にいったほうがいい場合です。これは、何らかの重篤な病態の可能性があるRed flags(レッドフラッグ)と呼ばれるものに該当します。具体的には、
- 発症年齢が20歳以下、または55歳以上
- 明らかな外傷既往
- 原因不明の体重減少
- 広範囲に広がる神経学的変化(しびれなど)
上記のような症状が見られる場合、骨折や悪性腫瘍、大動脈解離といった命を脅かすような病態が危惧されるのですぐに病院にいくことをおすすめします。
Red Flagsは原因が特定される特異的腰痛に該当されます。その他の腰痛は非特異的腰痛と呼ばれるものに該当します。
最初の判断基準
最初に今の痛みが、急性期の痛みなのか、慢性的な痛みかを判断しましょう。それぞれに対応が違ってきます。簡単に解説すると急に最近痛くなったのが急性期の痛み(3ヶ月以内)。長く続く痛みが慢性期の痛みです。急性期の痛みには炎症症状が伴います。炎症症状は腫れたり、熱を持ったりする状態です。これは、細胞の組織破壊が生じており、細胞組織の修復過程で生じるものです。この場合は、冷やしたり、圧迫したりする必要があります。炎症症状があって、歩く振動で痛む、または動けないくらい痛い。その場合は救急車を呼んででも病院に行ったほうがいいでしょう。骨折の可能性が非常に高いです。
黙っていてもじくじくするような痛みがあるが、動いも平気、またはちょっと痛いけど動けなくはない。そのような場合はまずは、氷嚢やアイスノンなどを使って熱をしっかりとってあげましょう。それで痛みが軽くなるようなら、15分位冷やすのを続けて、湿布などを貼って様子を見てみましょう。通常であれば、2,3日で熱が取れるはずです。その場合、熱が取れたらどんどん動いて大丈夫です。必要以上に動かないとかえって、良くないというのが最近の見解のようです。
慢性的な痛み
次に慢性的な痛みです。こちらは、動くと痛い、とか長時間の運動後に痛む、もしくは同じ姿勢を取り続けたあと(デスクワークのあとに肩が張るなど)に生じる事が多いのではないのでしょうか。
これは、急いで病院に行かなくても大丈夫です。ただ、急性期の痛みのように放っておいても治るケースは少ないです。
慢性痛を抱える方は、重力に負けている方が多いのですが、それに関しては別の記事で書いておりますのでこちらを参考にして下さい。
放っておいた場合、ほとんどの方は段々と悪くなっていきます。ただ、日によって症状が軽くなる日もあるので放っておいても大丈夫だと勘違いしてしまします。ですが、だんだん悪くなって、生活に支障が出た段階でやっと病院にかかるという方がほとんどです。
ですので、慢性痛が出た段階で何かしらの対応を取ることをおすすめします。悪化する前に直してしまったほうが、治るのも早いですし、日々の生活の質も落ちにくいです。
根本的な原因がおそらくどこかにありますので、まずは、自分の痛みをしっかりと把握することが重要です。どのようなときに痛くなるのか、どのようなときに痛みが軽くなるのか。痛みの場所はどこなのか、押して痛むのか。体をどのようにいたわると調子が良くなるかなど。
自分で自分の体を治すには、自分の体に興味をもつことが必要不可欠です。病院に来る方でも、生活に支障が出ているのにもかかわらず、自分の体や痛みについてはっきりとわかっていない方が多いように感じます。
もし自分の体について、しっかりと把握できていれば症状が悪化していくことにも敏感になりますし、必要なときは休息も取るようになると思います。
慢性痛の背景には、自分の体に対しての無関心があるはずです。
対応としましては、自分の体に関心を持つ。そして必要な運動、生活習慣を作り上げる。
適切な運動や、生活習慣がわからない方は、いろいろ試してみて自分にあうものを探していきたいですね。
もしそれでも難しかったり、どうしていいのかわからなかったら専門家に聞くことをおすすめします。病院でリハビリを受ければ慢性的な痛みのはとんどは軽くなっていきますよ。
みなさんもまずは自分の体に関心を持って、必要な場合は病院を積極的に利用していってください。