ボディメンテナンス

その不調、デスクワークが原因かも

 現代のサラリーマンの大半はデスクワークの方ではないでしょうか。私の経験ですと、体の不調から病院に通院される方の中には、椅子に座ってPCに立ち向かっている方も多いです。

もともと、介護職で体を動かしているうちはそれほど辛くなかったけど、管理職となりデスクワークが増えたことで体の不調が増えてきたというような方もいらっしゃいました。

業務として当たり前となっているデスクワーク。

今回は、デスクワークに潜む体の不調を引き起こす要因について書いていきます。

「座り過ぎ」で死亡する?

2016年にブラジル・サンパウロ大学の研究者から「世界中で年間43万人以上が、”座りすぎ”が原因で死んでいる」との研究結果が発表されました。

画像:NHKクローズアップ現代

国内の45歳以上の男女22万人を3年以上にわたって追跡調査しました。

期間中に亡くなった人の生活スタイルを調べると、座っている時間が大きく影響していました。

座る時間が一日4時間未満の人に対して、11時間以上だった人の死亡リスクは40%以上高かったそうです。

股関節を痛める女性が多い理由

デスクワークに従事する方でも、特に女性の方は不調を起こしやすいです。

最初に紹介した介護職の方も、股関節を痛めていました。

なぜ女性は股関節を痛めやすいのでしょうか?

股関節について知ろう!

股関節という関節を知らない方はいないと思います。

ですが、股関節がどのような骨や筋肉から成り立っているのかを知っている方は少ないのではないでしょうか。

はじめに、デスクワークに関連する股関節の筋肉について理解しましょう。

股関節は、骨盤大腿骨から構成される関節です。

球関節という種類の関節でくぼみに出っ張りがはまり込むことで安定する関節です。

立っているときは、大腿骨の上に骨盤が乗っており安定しています。しかしこの安定も、骨盤が後ろに傾いてしまうと不安定になってしまいます。

この際に、大腿骨が骨盤から抜けてしまわないように、骨どうしを引きつける働きをする筋肉があります。

それが、腸腰筋内閉鎖筋と呼ばれる筋肉がそのひとつです。

屈筋 骨頭位置関係

図を見て分かる通り、腸腰筋は大腿骨の前を通っています。

腸腰筋が弱ってしまうと、代わりに大腿直筋という筋肉が大腿骨を骨盤にはめ込む役割をします。

もともと、大腿直筋は膝を伸ばす働きと股関節を曲げる働きの筋肉です。

腸腰筋が弱ってしまうと大腿直筋に過剰な負担がかかってしまうので、筋肉を痛めてしまうことがあります。

これが場合によっては股関節痛に繋がります。

座っていることで固まる内閉鎖筋

引用:ハレルヤⅡ

内閉鎖筋は骨盤底筋の一つです。

骨盤底筋とは内臓が骨盤から落っこちないように支える役割を持つ筋肉です。

骨盤底筋はコアマッスルといって体幹を安定させる筋肉の一つです。

コアマッスルについての記事はこちら

骨盤底筋は長時間の座位姿勢で働きが悪くなりやすい筋肉です。また、男性と女性では構造が若干異なります。

男性の骨盤底には穴が一つ(肛門)しかありませんが、女性の場合だと穴が3つ(肛門・膣・尿道)あるため安定しにくい構造になっています。

女性の場合、男性に比べて骨盤底筋に問題が生じることが多いようです。

腸腰筋と内閉鎖筋は互いの力を引き出し合う

画像:どこでもfit

腸腰筋と内閉鎖筋は大腿骨を骨盤にはめ込む役割を持つ筋です。

腸腰筋は股関節の前方から、内閉鎖筋は後方から関節を安定させています。

この2つの筋肉が同じ力で引き合うことで関節は安定します。

逆に言うと、一つの筋肉が機能不全をおかしてしまうともう一方の筋肉も十分に働けなくなってしまいます

股関節を痛める流れの一つですが、

座り過ぎで骨盤底筋(内閉鎖筋)が固くなる

→ 内閉鎖筋の動きが悪くなり力が出せなくなる

→ 内閉鎖筋が低下することで腸腰筋も十分に力を出せなくなる

→ 股関節の安定性が低下する

→ 股関節を構成する大腿骨が前方へ抜けやすくなる

→ 前方へ抜けるのを防ぐために大腿直筋が頑張る

→ 大腿直筋が頑張りすぎて痛くなる

→ 股関節痛!

大まかに言うとこのような流れがあると思います。

座り過ぎでも健康でいるために

今回のテーマは股関節痛でしたが、実際には命に関わるような事態も発生します。

エコノミークラス症候群」などは典型的な病態ですが、たとえ発症しなかったとしても長時間の座位が日常的に続くことで、高血圧動脈硬化が進むと言えます。さらに進むと心筋梗塞狭心症脳梗塞のリスクが高まります。

理想を言うなら30分に一度は立ち上がり、少しでもいいので動くことをおすすめします。最低でも1時間に一度は行ってください。

骨盤底筋トレーニング

骨盤底筋トレーニングの例を紹介します。

トレーニングの姿勢は、はじめは仰向けで膝を立てるのが簡単にできると思いますが、なれてきたら立ってトレーニングをしても良さそうです。

  1. 姿勢を決めて、まずは深呼吸。体をリラックスさせます。
  2. そのままの姿勢で、陰部全体をじわっと引き上げるつもりで、骨盤底筋を締めます(この時、他の部分に力を入れないようにします)
    • 男性は、肛門を締めるイメージ
    • 女性は、膣を締めるイメージ
  3. そのまま、5秒くらい力を入れたままにして、息を吐きながら力を抜きます
    • 慣れて来たら、12~14秒くらい、締めるようにします
    • 力を抜いたら、48秒くらい、そのまま体をリラックスさせます
  4. これを、1日10セットを目安に行います
    • 締めて緩めるのを1回とカウントすると、1回はおよそ1分、10セットで10分程度です

骨盤底筋の機能が改善すると、

姿勢が良くなる、腰痛が軽くなる、便通が良くなる、ウエストが細くなる、臓器の働きを良くするなど

いいことがたくさんあります。

最近は膣トレなども流行っていますが、それもいわゆる骨盤底筋のトレーニングです

みなさんも骨盤底筋トレーニングを試してみてはいかがでしょうか?