今日は運命の分岐点。
始まりの日だと思う。
日にちは令和元年10月22日。世の中は、即位礼正殿の儀が行われる日。平成天皇から令和天皇に切り替わる儀式の日だ。
高速道路が封鎖されている影響から、道はいつもより混雑している印象だ。
天気はあいにくの雨。
即位礼正殿の儀のときは晴れたらいいなんてぼんやり考えながら、今日も仕事だ。
今日は半日出勤。仕事を終わらせ家路につく。
いまから、ビジネスの師匠に弟子入りさせてもらうお願いをしに行く。
前回いったときは、きちんと自分の覚悟が固まっていなかったのを自分でも感じている。しかし、今となっては何やら清々しさも感じている。
自分の中で考えが整理され、新しい一歩を踏み出す準備ができたと感じている。
場所は赤坂。
電車で向かう。
時間は16時20分からだが、毎度のことではあるが、15時には赤坂のマックに集合する。
設定してくれたのは、僕のきっかけを作ってくれた天野さん。
今回は、天野さんと天野さんのきっかけを作った乾さんが一緒に同行してくれるそうだ。
乾さんは、飲み会で少し話したことがある程度の人だ。
マックに来た乾さんは、アウトドア用のレインウェアを身にまとってきていた。一体どこからやってきたんだろうなどと思ったが、細かいことは気にしない。
弟子入りしてから、2年近くなるそうだ。
色々やってきた話を聞かせてもらう。もうじき脱サラの期限になるから、色々詰めていかなくてはならない段階だそうだ。
少して無理をしているような、少し焦っているような印象を受けた。
僕の話に戻るが、自分の求める姿を乾さんに伝えた。
理学療法士の現状。そして僕の目指すあり方。
僕は会社を作る。
乾さんはもっと具体的にと話す。
僕がやりたいのは、3年後に株式会社を起こす。その時の従業員は2人。そして委託先として50人くらいの理学療法士とつながる。
「なんで、社員じゃないの?」
「それは。」
少ししどろもどろになる。
「じゃあ、社員じゃないとして、どれくらいの金額を払えるようになりたいの?」
「時給換算で4000円~5000円くらいです。」
これに関しては、現行の訪問看護の非常勤の水準をベースとしている。これよりも下げてはいけない。そう僕は考えていた。
「なるほどね。いろいろ考えているね。」
僕はあまり自覚がないが、考えているのだろうか。
「経営者にも2つのパターンがあってね。一つは、理念先行型とでも言えばいいのかな。僕はどっちかと言うとそっちのタイプなんだけど、先にどーんとやりたいことを掲げるタイプ。僕はこれがしたいんです!みたいなタイプね。」
乾さんは、学校を作りたいという理念がある。
「そしてもう一つは、計算型。一つ一つ計算して数字を積み上げていく。大さんなんかはこのタイプだろうね。きっと正村さんもそっちのタイプなんじゃないかな?」
色々と話をする上で自分の考えが整理される感覚を感じる。
「そろそろ時間だね。行きましょうか。」
乾さんに促され席をあとにする。
師匠のオフィスは赤坂の一等地だ。
前回来たときは夜だったので、見えないところも多かったが、やはりきれいな町並みだ。
コンシェルジュから鍵を受け取り進む。
エレベーターの23階。
カードキーを使わなければボタンは押せない。
「おじゃまします。」
師匠に乾さんが説明する。
そして、師匠から話を聞く。
そして、僕は新たなスタートを切る。
後で知ったことだが、僕が師匠から許可をもらっているときに、即位礼正殿の儀は滞りなく進められ、天皇陛下が儀式を行うときには雨が上がり日が差し込んだそうだ。何でも都内には虹がかかっていたそうだ。
師匠の教え
- 自分や他人との約束は必ず守ること。
この積み重ねが自信につながる。自分や他人との約束を破る旅に自分への信頼(自信)は失っていく。
- 自己投資とはなにか。
自己投資とは自分にお金を使うことだけど、僕の場合だと、今受けている教えをより深く学べるような環境作りに費やしたかな。教えを受けてた師匠の店でとにかくお金を使ったね。そうするとやっぱり師匠も人間だから、嬉しいよね。僕の場合だと他にもたくさん、師匠から教えを受けているお弟子さんがいたけど、一番面倒見てもらった自覚あるもん。
兄弟弟子の教え~スタートする上で重要なこと~
- 誰にも言わないこと
今の段階だとわからないことが多すぎるから、説明しても不安ばかりが伝わってしまっていい結果にならない。もう少し自分のやりたい方向性が明確になってきたら、話をするといいよ。
- メンタル管理
今日みたいにすごい人から話を聞くと、精神的に高ぶって、うおー!みたいになるけど、医療系だからわかると思うけど、ホメオスタシスっていうのがあるじゃない。だから、精神的にも落ち込む日もあると思うけど、焦らなくても待っているとだんだんと戻ってくるから、落ち着こう。
- 情報のもとを大切にする
誰からの情報かということを大切にしていこう。同じ情報元でも、それを実際にやってきたヒトと大学の教授みたいなヒトとでは信頼度が違うよね。例えば、東京駅のマーケティングでも一番詳しいのは、あそこで一年中屋台を出してるラーメン屋の親父さんだよ。どの時間帯にどの年代が多いのか、たぶん全部わかっている。それはその人が実際にそれを感じ取っているから。だから、情報のもとには注意すること。知識も大事だけど、体験や経験も大事だよ。
紹介された本
仕事2.0
感動経営
福岡市を経営する
<続く>