先日、友人からコーチングの本とか知らないかと聞かれて、真っ先に思いついた本があります。
『ザ・コーチ』という本です。
作者は株式会社セブンピース代表取締役の谷口貴彦さん。
この人は、プロコーチとして、コーチのためのセミナーを開催している人です。
久しぶりに読んでみると、いろいろな発見があったので書いていきたいと思います。
目次
そもそもコーチングとは
コーチングの定義とは、「自発的な行動を促進するコミュニケーション」のことだそうです。
スポーツにおいて、コーチというものを考えると、いわゆる技術を教えてくれる人のようなイメージが有りませんか?
ですが、ここで言うコーチングとは、「答えは相手の中にある」ことを前提としているので、相手に答えを与えるのではなく、質問を投げかけて相手に考えさせる「対話」が基本的な姿勢です。
そのような方法を用いることで、部下や選手に気づきを提供する役割なんですね。
マネージャーとは異なる
コーチとは異なる役割として、マネージャーも考える必要があります。
多くの組織では、マネージャーにコーチとしての役割をあわせもつところも多くありますが、実際には求められるものはやや異なります。
マネージャーとはマネジメントをする人のことです。
マネジメントの意味は「経営・管理」のことで、定義は「組織が成果を上げる多面の機能・仕組み・ツール」です。
マネジメントの役割は、組織の目標達成を果たすために組織を機能させることです。
良い組織作りのためには、自分で考えて動くことのできる人材の育成は必須だと思います。
なので、マネージャーは部下に対してコーチングを用いて、自発的に動けるような教育を行うのだと思います。
マネージャーがその役割を果たしてもいいですし、別にコーチの役割を作る組織も多いようです。
新しい訪問看護の組織の形の「ティール組織」でもマネージャーとコーチをそれぞれおいているようです。
コーチングで重要な「目標設定」
以前目標設定についての記事をかきました。
この本を読んで新たに勉強になる要素がとても多かったです。
まず最初にでてくるのは5つの用語です。
- 夢
- 目標
- 目的
- ゴール
- ビジョン
この5つの言葉について、自分自身の考えを明確にしておく必要があります。
まずは、夢。
これは自分の願望で構いません。
死ぬまでに叶えたいことでもいいです。
ややこしいのが、ゴール、目的、目標です。
目標を辞書で引いてみると、「目的を達成するために設けた目当て」となっています。
つまり、目的有りきで、その次に目標が来るのが言葉的には正しい使い方なのです。
そして、目的の意味は「成し遂げたようと目指す事柄」です。
つまり、目的を実現するために目標を定めそれに向かって行動するという流れがあるのです。
しかし、多くの人は目的の考えがどこかへ行ってしまって、目標だけが独り歩きしてしまっています。
納得の行かない目標は、このようにして生まれるのですね。
次に、ゴールです。
これは、目的のための最終的な目印がゴールになります。
最終段階の目標がいわゆるゴールというわけですね。
それでは、ビジョンはどうでしょうか?
ビジョンとは、言葉の意味としては、「将来の構想」や「未来の像、その光景」という意味があります。
これだけだとピンとこないですよね。
ビジョンとは、鮮明で感情を伴うものと解釈すると良いと思います。
イメージするだけで、ワクワクしたり、楽しみになったり、そのようなものがビジョンになります。
人が、ゴールを手にした瞬間に見る光景、それを想像し、その瞬間に得られる感情を「今」味わう。それが、ビジョンです。
この5つの意味の異なる言葉を自分自身で、同じ「目標」として、使っていたなと反省しました。
知っているだけでは説得力に欠ける
知識をみにつけるのは重要なことですが、やはりもっと大事なのは、その知識をベースに自分の経験にまで落とし込むことだと思います。
本で読んだ知識を人に伝えるのは案外難しいです。
全体を読むことで得られることであって、部分だけ読み上げても本質的なところまで理解するのは難しいです。
なので、本の言葉を部分的に自分の部下に伝える事はできるかもしれません。
しかし、その部下が自分のものとして落とし込むのはなかなか難しいことです。
なぜなら、人から聞いた話の又聞きでしか無いからです。
本を読むことは作者との対話だと思っています。
聞いた話を人に伝える際に、中身が薄くなってしまうのは仕方のないことです。
中身を伴うためには、自分の経験を言葉で表して伝えることが重要なのではないかと思います。
コーチングの本来の意味に立ち返ろう
コーチングの本来の意味を覚えていますか?
コーチングは、自発的な行動を促すコミュニケーションのことです。
つまり、上から一方的に与えられるものではなく、自分自身との対話が必要となります。
この行為は、普段行っていない人が、いきなり行うとなかなか負荷のある行為です。
だれしも、夢は合ったと思いますが、それを素直に表現できるような世の中ではなかったのです。
なので、そこのハードルを超えることが最初に必要なことだと思います。
そして、もう一つ言いたいのは、夢がないことがおかしいとか、目標がないのはおかしいとは思いません。
自分自身に向き合わなくとも、幸せに暮らしている人が、わざわざ無理に山に登るような大変なことをしなくてもいいと個人的には思っています。
自発的な行動を起こすためには、感情を動かすようなビジョンが必要です。
本来であれば、ココロの中に自分のやりたいことは誰しもあるはずです。
一年中だらだら暮らしたいとか、ニートになりたいというのも立派な夢です。
世間体がそれを夢とは認めたがらないところはありますが。
そのような夢ならたくさんあるんじゃないでしょうか?
僕も、「時間とお金にとらわれずに本を読み続けたい」とか考えます。
そのようなゴールが明確であれば、自発的な行動は生まれますよね。
まとめ
自分では気がつけないことを気が付かせて、自発的な行動を引き起こさせるのがコーチングです。
この考え方を理解すると、自分自身の行動力を高めることにも繋がります。
人にコーチングする前段階として、自分の行動を引き起こさせるような目標設定を行ってみるのが良いと思います。