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【映画】これで最後は惜しい『カイジ ファイナルゲーム』

カイジファイナルゲーム公式サイトより引用

先日、カイジファイナルゲームを観てきました。
原作の漫画も好きですが、映画も大好きです。

主演の藤原竜也さんの演技が素晴らしすぎて、芸人さんのネタになったりしてますよね。
特に今回の、「カイジ ファイナルゲーム」では、プロモーションで藤原さんの物真似がたくさん挙げられているのが印象的でした。
それでは、ここから映画のネタバレです!ネタバレが嫌な人はここまでで引き返してください!

目次

時代はちょっと先の日本

今回のカイジの設定は、オリンピック後の東京です。
インフレが恐ろしいほど進んでおり、資本家と労働者の対立が明らかに進んでいます。
そのなかで、主人公のカイジは日雇いの派遣仕事に従事しています。

社会保障費もばかにならず、手元に残るのはわずか。
日々の食事も思うようにはなりません。

「この設定、めっちゃリアル・・・」
すごいありえる未来予測にぞくぞくします。
なんでも、原作は漫画カイジの福本先生がオリジナルストーリーとして、作成したそうです。

くるところまで、きた日本がどうなっていくのか。
実際、インフレ起こらないのが不思議な世の中ですからね。
企業の株価は上がっており、アベノミクス効果とかいってますけど、実際は企業が強くなったんじゃなくて、円が弱くなってるだけです。
円が弱くなると何が起こるかっていうと、同じものでもたくさん円を払わなくてわならなくなります。
輸入品はえらい高くなります。

実質、インフレ効果で外国人旅行者がめっちゃ増えてます。
実際のものの価値よりも、安い円で売られているからそうなるわけですね。

なので、どっかで、インフレが起こり始めたら、そっからは止まらなくなるわけですよ。
実際に昔、同じようなことがありましたからね。

そのようなハイパーインフレは、歴史を振り返ってみても、起こってます。
政府はその対策として、預金封鎖を行なってきたわけですね。
預金封鎖を行い、今まで使われてきた紙幣の価値を落として、新しい通貨と交換するわけです。
10000円分が新しい1円分と交換ね!みたいな感じです。
それをやるだけで、今ある国の借金が実質1/10000くらいになるわけですけど、それの煽りを喰らうのは小市民です。
細々と溜めていた貯蓄の価値も1/10000になるんだからたまったもんじゃないですよ。

カイジファイナルゲームでもそのような未来を描いています。
国としては、預金封鎖を行いたい。それに対抗するカイジ一派。
そのような対立構造で物語は進んでいきます。

実際に、戦後には預金封鎖が行われているので、めっちゃリアルです。
戦後の預金封鎖では、実際に新しい貨幣も発行されています。
当時の国の財政状況を比較すると、国の借金がGDP比2倍だったそうです。それに対して、現代は2.5倍。
預金封鎖の時より悪い状態じゃん、、、。

そのような背景があるからこそ、リアルにストーリーを楽しめました。

ゲームは残念

カイジファイナルゲームでも複数のギャンブルが登場します。

  • バベルの塔
  • 人間秤
  • ドリームジャンプ
  • ゴールドジャンケン

ゲームの内容は過去の作品と比べてしまうと残念としかいえません。

過去の作品のゲームは漫画カイジにも登場するギャンブルで、戦略性が前面に押し出されていました。
例えば、限定ジャンケンやEカード、チンチロなどは、ゲームのルールを読み取り、どうやって敵の牙城を突き崩すか。
その戦略性が作品の魅力となっていました。

他にも、ブレイブメンロードや沼は人間の精神面やスケールの大きさが魅力的なゲームでした。
今、映画のシーンを思い出してもワクワクしてしまいます。

しかしながら、今回のゲームはゲームの戦略性が今ひとつと言わざるを得ません。
バベルの塔は戦略も何もないですし、メインの人間秤は買収できるかどうかというところで、無抵抗で嬲られ続けているような印象です。
最終的には勝利するわけですが、いまいち攻略法がピンとこない感じです。

カイジのイメージとしては、神頼みでなんとかするのではなく、緻密な戦略による必然的な攻略が魅力のように思います。
そのような攻略法というのが今回はなかったかなというように思います。

攻略する気あんのか?とすら思ってしまいました。

過去の登場人物に会えるのは嬉しい

しかしながら、映画カイジファンには嬉しい演出がたくさんありました。
藤原さんのキンキンに冷えてやがる!もたまらないです。

あとは、過去の登場人物が出てくるのも嬉しいです。
ハンチョウや坂崎、遠藤など、もう映画で会うことはないだろうと思っていた人たちがチラッとでもでてくるのはファンとして嬉しいです。

あのへんを出すなら、香川照之さんや伊勢谷さんも見たかったというところです。

他にも今回初登場となった、吉田鋼太郎さんや福士蒼汰さんも悪役として素晴らしかったと思います。

まとめ

カイジファイナルゲームでは、ファイナルとしては少し物足りない感が否めないところがあります。
どうしても、カイジの魅力であるギャンブルの戦略性の弱さが目につきました。
その点以外は、時代背景やキャストなど魅力的な映画だったかなと思います。
ファイナルゲームをみたことで、前作や一作目を見返したくなりました。
これで最後になるのは少し残念です。