さて、今回はネットワークビジネスについて書いていきたいと思います。
基本的にネットワークビジネスの印象は悪いですし、いわゆるネズミ講と勘違いされがちです。
ですが、ネットワークビジネスだからといって、安心できるものかというとそうではありません。今回はその辺りも含めて、考えていきます。
目次
ネットワークビジネスって何?
ネットワークビジネスとは、広告を代理店やCMに頼るのではなく、人の紹介をベースにして、商品の売買を行うものが、ネットワークビジネスにあたります。
ネズミ講との違いは明確な商品があるかないかです。
なので、ネズミ講と間違われることがあるのですが、ネットワークビジネス自体はいい商品を広告料がかからない分、安くお客さんに提供できるといういい点があります。
ですが、ネットワークビジネスで一部の業者が高い商品を同調圧力を使って購入させている現状があるそうです。なので、一般的には印象が悪くなっているのではないかと思います。
ちなみに、マルチ商法はネットワークビジネスにあたります。
マルチ商法の「マルチ」は、MLM Multi-level marketing(マルチレベルマーケティング)のマルチからとっています。
ネットワークビジネスは英語だとNetwork marketingと呼ばれるそうです。
どちらも日本語では連鎖販売取引を意味しています。
英語圏だと意味が若干異なるようですが、日本では同じものと捉えてしまっていいと思います。
そもそも、商売の基本とは
商売の基本は、売る人も買う人も喜ぶことです。
つまり、損する人がいないというところがベースとなります。
いいものをいい値段で買えたら嬉しいですよね。
なので、仕組み的にはネットワークビジネスは、いいものを安く買うチャンスが増えるので悪くないはずです。
しかし、理学療法士の間で流行っているネットワークビジネスの中には、あまり役に立たないようなものを、ネットワークに入る要件として購入させられてしまうところがあるそうです。
それは、問題です。
会の人間関係を売りにするなら適切な入会金を設定すればいいのに、高額な品物を買わせるので、こちらとしては??となってしまいます。
話は少し外れますが、人間関係を求めるなら、オンラインサロンがいいんじゃないのかと思います。
PTだと、いまさら聞けない解剖学の吉田先生もやってますし、有名どころだとキングコングの西野さん。西野さんのオンラインサロンだと、月1000円ですし、3万人が登録しているので、そういう選択肢もありかなと思います。
ネットワークビジネスと人間関係
ネットワークビジネスは人間関係をお金に買える商売といわれることがあります。
ネットワークビジネスでありがちなのは、自分の知り合いや家族に片っ端から声をかけるというものです。
よくある話ですがおいておきましょう。
がっつりネットワークビジネスをやっている人には、人のつながりが広がっていくように見えます。
しかし、その人のつながりというものは、お金や商品によるつながりでしか無いのです。
そこから離れたときが縁の切れ目になるようです。
金の切れ目が縁の切れ目。
ネットワークビジネスの仕組み上、新規開拓は必須ですし、いずれは打ち止めになります。
そうなった時に、縁の切れ目になるのか、また新しい商品で新しいネットワークを気づいていくかはその人によると思います。
商売の基本は買い手と売り手が両方喜ぶことと前述しましたが、そこからかけ離れてしまっています。
そこの前提がないから、不幸な関係が生まれてしまいます。
必要としている人に、いい商品を売れるとすれば、それはいいことでしょう。
これなら、みんなにとっていい形、いわゆる「三方よし」になると思います。
近江商人の哲学「三方よし」
「三方よし」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
この「3」という数字は何を表しているかというと、「売り手」「買い手」「世間」を表しています。
売り手と買い手が満足することと、社会に貢献することが伴う商売こそいい商売だという考えです。
ちゃんとしたネットワークビジネスの仕組み自体は、この三方よしになるのではないかと思います。
ネットワークビジネスの前提は広告料がかからずに商売ができる仕組みです。
そのコミュニティじたいも、同じ商品を扱うという点では、悪くないのかもしれません。
品物を買う際に、過度なCMを消費者は望んでいないと思います。
ですが、広告をしないと、そもそも知ってもらえないというメーカー側の苦しい悩みがあるわけですが、これをネットワークビジネスは解消してくれるというわけです。
囲い込みが悪いのでは?
実際にネットワークビジネス以外の商売をやっている人(世話になっているリサイクルショップの店長さん)に話を聞くと、「いつも世話になっているから、飲むのはあの店」とか「ママには世話になっているから逆らえない」という話があるそうです。
これ自体もある意味ネットワークだと思います。
何かしてもらった、いつもうちの店を使ってもらっている、子供が世話になっている。
そんな時は、世話になっている人のところにお金を落としたいと思うのは自然なことだと思います。
要は、その自然な流れを、ネットワークビジネスというモデルを使ってスムーズに行なっているのです。
中には、ネットワークの囲い込みを行い、極端な形で発露させている現状があると思います。
ネットワークを大切にするのはいいですが、それ以外の価値観を認めることができないのであれば、あまり良いビジネスとは言えないような気がします。
理学療法士とネットワークビジネス
ネットワークビジネスの仕組み自体は、悪くない面もある思います。
しかし、理学療法士にはあまり相性のいいものではないと思います。
なぜなら、そもそも理学療法士は商人ではないからです。
理学療法の養成校では、理学療法士になるための教育が行われております。
そして、社会に出てからは、相手にするのは障害を負った人たちです。
患者さんに選ばれるということがないので、商売にあるような、あの人に世話になったから、あの人のところでお金を使おうということもありません。
なので、ネットワークビジネスをやって、学べることはあるのかもしれませんが、役には立たないと思います。
役に立たないものを売るのはいい商売ではありません。
そして、個人的に理学療法士にとって役に立たないものをすすめるときの、常套手段が、不安を煽ることなので、頭にきます。
「今後の理学療法士の将来、大丈夫なの?」とかいう輩がいる場合、「不安を煽るような話し方をする、お前の人間関係こそ大丈夫なの?」といいたくなります。
不安とはわからないものに対して生まれます。
今まで考えたことがない話をいきなりされたら、誰だって不安になります。
もともとなかった不安を作り出して、安心して、大丈夫だから!と擦り寄ってくる。
人を幸せにするのが、商売のはずなのにです。
そもそも、理学療法士にネットワークビジネスを、進めてくること自体どうかしているのです。
患者さんと向き合う理学療法士に、人とのつながりは必要でもそれをビジネスに変える必要はありません。
複業として始めるなら、よく考えてから始めてください。
商売についてよくわかっていないということを知っておくこと。
色々な情報に触れてみることが必要だと思います。
まとめ
ネットワークビジネス自体は悪い仕組みでないが、理学療法士に進めてくるネットワークビジネスは基本的におかしい。
なぜなら、客を選ぶことも選ばれることもないから。
不安を煽る人からは、さっと立ち去りましょう。
今回も最期まで読んでいただきありがとうございました。
理学療法士の将来が危ないとか言ってるから、本当にそうなのか考えてみました。
ネットワークビジネスがなぜ医療職に広がっているのか。その対策は職場における教育しか無いと思っています。