雑記

なぜ理学療法士として生きても豊かになれないのか

今の日本は間違いなく豊かになっている。

日本だけではなく、海外に目を向けても、殆どの先進国では経済の発展は続いており、昨日よりも今日、今日よりも明日のほうが豊かになっている。

情報技術の発達により、誰もがたくさんの情報に触れることができ、だれもが欲しい商品があれば、スマホのボタン一つで買い物をすることができる。

家にいながら、映画を見ることもできるし、海外旅行も安く行けるようになった。

しかし、多くの理学療法士が感じているように、私達は豊かになっていない。

なぜ療法士は豊かさを感じることができないのか

それは、経済の発展により、もしくはお金の価値の下落により、物の価値が上がっているのにも関わらず、理学療法士の給料の水準は年々下降の一途をたどっているからだ。

他のコメディカルの給料は、微弱ではあるが緩やかに上がっているのに対して、理学療法士だけは水平もしくはやや下降しているのである。

この問題に対して、理学療法士は若い世代が多いからと簡単に答えを出す人もいるが、それだけが理由ではない。

そもそも、リハビリテーションスタッフが生み出すことのできる利益が年々低下しているからにほかならない。

仕事の質は昔に比べて、上がっているはずだ。

なぜなら医学の進歩により、よりエビデンスに基づいた治療を提供することができる。

それだけではなく、理学療法の経験も積み上がっており、先輩のセラピストがセミナーなどで若いセラピストに経験と技術を提供する場も増えている。

真面目にやっているセラピストにとっては、昔に比べて、やはり素晴らしい医療を提供している。

それなのにもかかわらず、理学療法士の懐事情は寂しくなるばかりだ。

医療という檻

これは、医療制度の限界によるものだ。

一時間あたりいくらと固定された報酬では、努力に裏付けされたすばらしいセラピーを提供できるようになったとしても、経済的な豊かさにはつながらない。

真面目にセラピストとしての技量を磨いたとしても、懐があたたまることはない。

仮に収入面での向上が見込めるとすれば、それは、治療技術によるものではなく、若手セラピストを上手にマネジメントできることによるものだ。

それでは、治療技術を真面目に磨こうという気持ちは失せてきてしまうのも仕方のないことだ。

給料の水準として、一般のセラピストが家庭をもつことには少々無理がある水準だと思う。

一人暮らしであれば少々ゆとりのある暮らしをできるかも知れないが、この水準で子供を育てるとなると一苦労だ。

どんなに頑張っても、私達が生み出すことのできる価値は一週間に108単位分を上回ることはできない。

限界までこの数字に挑戦したとしよう。

一番いいのは、訪問看護からの訪問リハだろうか。

3単位だと9割の算定しか取れないので、2単位で54件、一週間に回ったと仮定しよう。

1単位296点なので、319680円となる。

これを4週間とすると、1278720円だ。

稼げるとされている訪問セラピストですら、売上は120万をこえるのがやっとだ。

仮にこのような、成績を成し遂げたとしても、診療請求をこなすスタッフの人件費や、通勤のための交通費、事務所を維持するための固定費、その他諸々の経費を差し引くため、セラピストの手取りは売上の半分程度になるだろう。

訪問で週に54件回るのは実質不可能だ。

せいぜい、35~40件がいいところだろう。

3単位の訪問看護を増やしたところで、単位数は伸びるが2超の場合、点数が90%になってしまうため、難しいところはある。

週に20万円の売上が良いところだろう。

となると、月の売上は80万円が現実的な数字だ。

セラピストの取り分は、50%として40万円となる。

年収480万円。

これがリアルな数字だ。

問題は、この数字がいかに努力したところで上がっていかないところだろう。

経験の浅いうちはいいが、経験を重ねて確かな技術を身につけたものとしてはたまったものではないのではないか。

この問題に対処するために、各病院、施設、企業はマネージャー職を吸えることで給与面を改善する方法をとっている。

本来腕を磨いて成し遂げたいこととは離れ、スタッフのマネジメントをすることで、会社内での優位性とちっぽけな自尊心を満たしてくれることが、報酬として支払われる。

保険制度の限界だと言わざるを得ない。

これ以上はない。

問題を直視することで解決策が生まれる。

では、私達セラピストはどうすればよいのか。

個人のセラピストとして解決する方法はいくつかある。

問題をどのように定義するのかによるが、経済的な豊かさを問題とする。

この当たりの基本の考えは、セラピストに限らず持ち合わせておきたいところだ。

マネーリテラシーはこれからの時代を生き抜く上で、持っておきたい。

なぜなら、豊かさを求めると、初心者を食い物にする人たちと遅かれ早かれ出会うはずだ。

そのような人たちには、距離を開けるべきだ。

基本的には、美味しい話などない。

自分の頭で理論を組み上げ、勉強し、それを地道に積み上げていくことでしか達成することは不可能だ。

解決策としては、個人のスキルを上げる方法とお金を生み出す仕組みを育てる方法の二通りだと思う。

お金を生み出す仕組みとして勘違いしてほしくない点がある。

株式投資や投資信託は、セラピストの収入では元手が少ないために、雀の涙程度にしかならないのでナンセンスだろう。

売却益を求めるのは、ギャンブルに近いのでおすすめしない。

経営のことをかけらも理解していないセラピストが挑戦するギャンブルとしては分が悪いだろう。

短期間であぶく銭を生み出すことができたとしても、再現性はなくいずれそのお金も溶かしてしまうだろう。

スキルを上げる方法は、競争が激しすぎる。

今では認定療法士が山のようにいる。

では、専門療法士に挑戦するとしても、それにかかる時間と費用。

そして、それをお金にするまでの道のりがかなり遠い。

その道は確かにあるが、そこを目指す人間は果てしなく多い。

やはり、競争になるのも時間の問題だと思う。

再現性が高いのは、仕組みを育てる方法だと思う。

これは、誰もがやっている方法ではない。

だからこそ、競争は少なく、レッドオーシャンのような血みどろの戦いを避けることが可能となる。

しかし、その道程は誰もが歩くような道ではないために、自分の血力が試されるはずだ。

ときには、戦いに敗れ、たくさんのものを失ってしまうかも知れない。

だからこそ、壁が生まれ、成功者には富が集まるものだと思う。

つまり、挑戦し続けることでしか、活路はないということだ。

まとめ

理学療法士が整体院を出すのが流行っているようだ。

強豪が弱い地域ではやり方次第では圧倒的な勝利をおさめることもできるかも知れない。

しかし、その働き方も時給を上げることにほかならない。

一時間1万円の売上を上げることができたとして、それをずっと生み出し続けることができるのだろうか。

時給に縛られない働き方を目指していきたい。