書評

【書評】今までの概念が覆る『ハイ・コンセプト』

ハイ・コンセプト 表紙

今までの、努力とは全く異なる努力が必要となる。

なぜ異なる努力が必要となるのかこの本は教えてくれる。

この本は、ダニエル・ピンク先生が2005年に出版した本だ。

2020年の今から考えると15年も前の本だが、その中で語られていることは実際に世の中で進んでいると感じます。

ピンク先生は、「これからの世の中では、どのような人間が豊かに生きていけるか」ということを語っています。

今までの価値があったものがとたんに価値を失い、今まで評価されてこなかった部分が評価される世の中になります。

その原因は、豊かな世の中になったこと、たくさんの競争相手が出現してきたことにあります。

いまや、ブルーワーカーはもちろんホワイトカラーの仕事でさえ、人件費の安い国にうばわれています。

世界の工場が中国にあるとするならば、世界のプログラミングはインドで行われるようになっていると語ります。

インターネットの発達により、先進国でも発展途上国でも同じようにできる仕事が増えています。

同じ仕事でも、賃金の安い国に依頼すれば、10分の1の費用で賄うことすらできるのです。

ホワイトカラーに象徴される知識労働は、発展途上国に市場を席巻されると予測しています。

そして、その先にはAIやコンピューターに仕事を任せていく世の中が来ると言っています。

そのような世の中で、価値を生み出せる人間には条件があります。

「ハイ・コンセプト」と「ハイ・タッチ」を有する人間です。

この本のタイトルでもある「ハイ・コンセプト」とはどのような状態を指すのでしょうか?

「ハイ・コンセプト」とは、芸術的・感情的な美を想像する能力、パターンやチャンスを見出す能力、相手を満足させる話ができる能力、見たところ関連性のないアイデアを組み合わせて斬新な新しいものを生み出す能力などのことです。

長い・・・。

一方、「ハイ・タッチ」とは、他人と共感する能力、人間関係の機微を感じ取れる能力、自分自身の中に喜びを見出し、他人にもその手助けをしてやれる能力、ありふれた日常生活の向こうに目的と意義を追求できる能力などのことです。

こちらも、長い・・・。

この2つの能力が、現代の「ハイテク」技術をさらに飛躍させるのです。

逆に言うと、「ハイテク」を有効に働かせるためには、「ハイ・コンセプト」や「ハイ・タッチ」を有する人材が必要になるということです。

日本を例に上げると、近年、日本が利益を上げている輸出品は、車や電化製品ではなく、ポップ・カルチャーです。

より高い、芸術品や創造性、遊び心が求められる世の中となるのです。

「ハイ・コンセプト」を身につけるためには「6つの感性(センス)」が必要となります。

  1. 機能だけでなく「デザイン」
  2. 議論よりは「物語」
  3. 個別よりも「全体の調和(シンフォニー)」
  4. 論理ではなく「共感」
  5. まじめだけでなく「遊び心」
  6. モノよりも「生きがい」

この中で特に印象に残ったのは、「物語」の中で引用されている、「物語医療」です。

患者のストーリーを捉える物語医療と専門技術の両輪を回すことが、より質の高い医療を提供することにつながると感じました。

これからの時代が、人間身にあふれる人物こそが、必要とされると感じました。

真面目に頑張るのではなく、人間らしく、他社と楽しみながら働くということがより重要な世の中になっていきます。

そのような世の中の到来を予測し、自分はどのような準備をしていかなければならないのかを考えさせられました。

少し古い本ですが、自分の中の概念が修正されます。

興味のある方は、ぜひ読んでみてください。