書評

『社長は労働法をこう使え!』タクシー会社のリストラは違法!?【書評】

コロナウイルス関連でリストラが増えていくことが予測される。

4月8日に東京のタクシー会社ロイヤルリムジングループが新型コロナウイルスによる業績悪化により、従業員およそ600人を解雇した。

このニュースはテレビやネットでも取り上げられているがその裏で何が生じているのか。

当初の会社側の説明は、失業給付を受け取りながら感染症の流行している期間は耐えてほしいと説明していた。

しかし、社員の中には失業給付を受け取るために必要な、雇用期間を満たしておらず、失業保険を受給できない人もいるようだ。

なかには、解雇の無効を訴える社員もいるがどちらの言い分が正しいのだろうか。

この場合の正しさというのは、法律上の正しさであり、倫理的な正しさではない。

ちなみに、会社側の言い分では、「企業の体力不足」と説明しているが、4月には神戸のタクシー会社も買収している。

何を持って正しいのかを考える上で、労働法についての正しい知識を持っていることが重要だ。

本の紹介

今回紹介する本のタイトルは、『社長は労働法をこう使え!』という本です。

2012年3月に出版されたものですので、内容に関しては最新の法律と照らし合わせる必要があると思います。

終身雇用の終わりとともに制度も変化していくものですので、最新の情報と照らし合わせてみてください。

著者は弁護士の向井蘭さんです。

弁護士のなかでも珍しい、労働問題を専門にする弁護士さんです。

この本は法律を立てに会社にぶら下がる、いわゆるモンスター社員に対して会社側はどのようにして向き合うべきかということについて書かれています。

本格的な不景気が訪れ、リストラも増えていくと思います。

そんな中で、自分のみを守るためには正しい労務の知識をみにつけることが重要です。

この本では、社長側が社員と向き合う時にどのような点に気をつけなくてはならないのかという内容が書かれています。

社長としては、従業員と向き合う時にどのような点に注意しなくてはならないのか。

従業員は、労働法により自分たちがどれほど守られているのかを知る切っ掛けとなるような本ですので、参考にしてみてください。

労働法がわかれば、国の政策もわかる。

労働法を理科することができれば国の政策についても理解が深まります。

例えば、新型コロナの補償問題でも、海外を引き合いに出すコメンテーターが多いですが、実際には日本は事情が異なります。

海外では、比較的簡単に従業員を解雇できる仕組みが合ったのですが、日本の場合だと、従業員を過去するためにはいくつかのハードルを超えなくてはなりません。

業績が悪くなろうも、社員に規則を違反するような明らかな問題がない場合に解雇するのは、不当解雇になってしまうケースが多いです。

なので、海外と同じように個人を救うような政策ではなく、企業や事業者をまず第一に救うような政策が打たれたのです。

ちなみに、全員一律10万円給付に関しては、僕は失敗だと思うタイプです。

将来に対する負債を作ることを求める人のなんと多いことか。

結局このお金は、税金としてしばらくの間、搾り取られることになるでしょう。

とくに、会社員は深刻です。

今まで真面目に働いて、真面目に納税していた人の税金を、水商売でやっている人にあてるというのは、どうなんだろうと思ってしまいます。

「水商売」をやっているという自覚があるのであれば、このような情勢をうけいれることも織り込んでおかなくてはならないと思います。

労働法とは

話が脱線してしまいましたが本書に戻りましょう。

労働法とは、労働者を保護するための法律の少々です。

皆さんにお馴染みの、労働基準法はそのうちのひとつで、他にも労働法と呼ばれる法律は存在します。

  • 労働基準法
  • 労働契約法
  • 最低賃金法
  • 労働安全衛生法
  • 男女雇用機会均等法

くり返しいいますが、これらの法律は労働者を守るための法律です。

これらの法律について正しい知識を持つことは、従業員にとっては武器になるでしょう。

会社にとっては、これらの知識がない場合、ヘタをうつと会社が傾くほどのダメージを受けかねません。

タクシー会社のリストラは、従業員のことを有る意味なめているような行為になるのではないでしょうか?

彼らが労働法について正しい知識を持っていたら大変なことになるはずですが、たかをくくっているように思います。

しかし、リストラをしなければ会社は傾き、下手をすれば倒産してしまう可能性もありますので、どっちにしろ地獄行きなのかもしれませんが。

労働法の基本的な立ち位置としては、会社が労働者の労働力を購入する契約を結ぶわけですが、その方法を制限するのが目的です。

マルクスの資本論でも語られているように、利益を出すためには労働者の労働力を搾取する方法が有効です。

しかし、そのようなことが増えると、労働者が安定して労働することは難しく、世の中が乱れてしまいます。

なので、法律により労働者の使用、収益、処分に関して制限が設けられています。

特に日本では解雇に関する法律は厳しく、一度雇用してしまうと解雇するのは非常に大変です。

具体的なケース

具体的な例では、会社にとって問題のある社員Aをクビにしようとしたところ、社員は弁護士に相談したそうです。

弁護士は、賃金仮払いの仮処分を申し立てました。

仮処分の決定には、少なくとも3~6ヶ月かかります。

その間、会社としてはクビにしたはずの社員Aに給料を支払い続けなくてはなりません。

裁判中の生活費を確保した、社員Aは急いで裁判を進める必要もなく、ゆっくり裁判をすすめるわけです。

このケースでは会社としてはトータル1500万円~2000万円ほどの出費になったそうです。

不景気が来る世の中で、このような大きな支出に見舞われると会社が潰れかねません。

知っているのと知らないのとでは身の振り方が大きく変わってしまいますね。

まとめ

法律にしろ会社にしろ、自分が幸せになるために作り出したものです。

その制度を正しく利用しましょう。

すくなくとも、知らないことで不当に扱われることは減っていくと思います。

そう考えると会社としては、従業員にあまり賢くなってもらうのは考えものなのでしょうね。