理学療法

〈研修レポ〉基礎から学ぶ訪問リハビリテーション partⅡ

 研修二日目です。一日目は訪問リハの大枠をおさえました。そのうえで、午前中にシンポジウム「リハビリテーションの実際」そして午後には、「事例を通したリハビリテーションマネジメント」のグループワークに取り組みました。

 まず、シンポジウムですが、シンポジストは理学療法士は北岡秀朗先生、作業療法士は平沼直之先生、言語聴覚士は清水美緒子先生によって行われました。

 それぞれの先生は、現場での業務から経営まで取り組まれる先生もおられ、まさに訪問リハビリテーションの哲人というべき先生方でした。それぞれ、一日の流れから、現場での留意点、先生ごとの訪問の際または訪問に伺う前の心構えなど教えていただきました。今回の講習会の参加者は訪問の現場に出ていない方も多くいらっしゃったので、おそらく訪問の現場のイメージがしやすかったのではないかと思います。

 話はそれますが、グループワークなどで数名の参加者の方とお話させていただいたのですが、その内2名がこれから訪問部門を立ち上げるということで、病院では訪問部門の立ち上げの波が来ているのだなと感じました。おそらく平成30年度の改定で病院からの訪問のハードルがぐっと下がり、訪問の立ち上げが一気に進んだのではないかと思います。国の思惑通りなのでしょう。

  訪問の実際の講義を聞いたあとに、質疑応答の時間がありました。私も拝謁ながら日々の臨床の疑問を質問させ地いただきました。

 モチベーションの上がらない方をどうしたらいい?ケアマネージャーとの連携はどうすればいい?担当者会議では何をすればいい?訪問の申し送りの形はどうすればいい?など、いろいろな質問に対して、それぞれの専門職の立場の先生の考えを聞くことができました。

 特に私の中で印象的だったのは、気持ちが前に向かっていかない利用者さんに対しての接し方についてのお話です。

北岡先生は、本人の言葉がそのまま本人の考えではないことが多い。外に一緒に出るなどできることを一緒に確認するといいという考え。

 平沼先生は、利用者さんの希望を確認するときに利用者さんの忖度でリハビリっぽいことを答えることが多いので「リハビリぽいことじゃなくていいからやりたいことある?」というお話ができるといいよね。ということや、自分と利用者さんの関係性をほんにの以降が引き出せるようなものに育てていくこと。「~だからしょうがないよね」ではなくその中でも楽しみ、小さな成功体験を積んでいくといいという考え。

 清水先生は利用者さんが障害や病気の影に隠れてしまっているので、病気だからこうではなく、その人そのもののあり方を考えていけるといいよね。また、気持ちが前を向いてこない利用者さんには選ぶという行為をしてもらうといい。「カーテンは開ける?」といった些細なところから始めるのがいいのではないかという考えを聞かせていただきました。

 それぞれの先生の体験や考えを直接教えていただくことができたので、自分もその経験や考えを疑似体験できたような気がしました。

SPDCAサイクルを活かし事例を考える。

 午後は、村岡洋平先生のリハビリテーションマネジメントについてのグループワークです。SPDCAサイクルの考え方から、現場レベルではどのように使っていけばいいのかということについて理解を深めることができました。あらためて、SPDCAサイクルについてですが、

Servey  調査 → 訪問リハビリ依頼(から初回訪問まで)

Plan   計画 → 評価・リハビリ計画

Do   実行 →  リハビリテーション提供(後から再評価まで)

Check  確認 →  再評価(後リハビリ提供)

Action 再実行 →  改善・さらなるサービス提供(から現在まで)

 私が学生の頃はPDCAサイクルを回すなどという言葉は耳にすることは少なかったように思いますが、最近では本屋さんに行ってもPDCAサイクルの本が並んでいたり、理学療法協会のフリーペーパーにもよく出てきます。

 それを実際の現場レベルでどのように活用していけばいいのか事例を踏まえて確認していきます。例えば、訪問前に利用者の情報が足りなかったときにどうする?なぜリハビリの方向性が統一されていないのか?なぜ本人の能力が改善したのか?など、実際の現場で起こりそうな事例が盛り沢山でした。

 大切なポイントは大きなSPDCAサイクルを回しながら小さいSPDCAサイクルを同時にたくさん回すことだそうです。グループワークではとにかくたくさんSPDCAサイクルを回すことができました。村岡先生の雰囲気作りのおかげもあり、有意義なディスカッションを行うことができました。発言がいっぱいあるディスカッションはとても楽しいですし勉強になりますよね。グループの皆さんにも感謝です。

まとめ

 今回は、日本訪問リハビリテーション協会の研修に参加してきたのですが、とても有意義なものでした。訪問の現場に立つ方や、病院で働いている方にも在宅でのリハのことを知ってもらえる貴重な機会になったと思います。このような話は実際に聞くとより臨場感を味わえると思いますので、みなさんも一度参加してみてはいかがでしょうか?

訪問リハビリテーション協会のリンク→http://houmonreha.org/

一度、最後まで文章を作成したのに途中で消えてしまい悲しくなりましたが、なんとか書き直すことができました。今後も色々なブログを書いていきたいと思いますので今後共よろしくお願いします。文章を読んでいただきありがとうございました。