理学療法

一歩出すための目標設定

今回は、目標設定のはなしです。

リハの計画書に短期目標や長期目標という項目は必須です。

しかし、本来、目標設定はなぜ必要なのかということを考えている人はいるでしょうか。

目標設定は、努力するための原動力として必要だと思っています。

大事なのは、できるだけリアルなイメージを持てるような目標を作ることだと思います。

リアルなイメージが未来への希望となり、今日も一歩踏み出せるのだと思います。

なぜ目標設定が必要か

リハにしろ、なにか計画を建てる時に目標を建てると思う。

リハの場合だと、患者のホープをもとにその人の必要なニードに結びつける事が多いはずだ。

たいてい、「疼痛軽減」であったり、「歩行能力向上」「ADL能力向上」などの目標が設定されるはずだ。

しかし、そのような目標でいいのだろうか?

そもそも、なぜ目標設定が必要かを掘り下げて考えてみてほしい。

目標設定は、方向性をはっきりさせるために必要だと言う人がいる。

たしかにそれは間違いないのだが、目標設定はそれ以上に大切な要素があることを忘れてはならない。

感情を動かす目標

目標設定にもとめられる役割として、その人の原動力になることだと思っている。

「この方向に向かって進んでいきましょう」というような提案というよりも、「この先にはこんな未来がまっていますよ」という提案ができたほうが、本来の役割を果たしていると思う。

ただ、進む道を教えてくれるのではない。

その人に一歩出させるための希望となるようなものが望ましい。

できることならば、その目標を達成したときの感情までイメージできるようなものまで決めていきたい。

例えば、歩行能力向上ではなく、

歩いて、友達の家に言ったらすごい驚かれるんではないですか?というような提示の仕方をすると、より、やる気になるはずだ。

辛い運動を続けるためには、何かしらの原動力が必要だと思う。

その原動力となるものは、自分がイメージできる未来への希望だけだと思う。

数値目標はツール

目標設定の際に数値目標をたてるケースは多いだろう。

最終的な目標に向けて、自分がどれくらいの位置にいるのかを図るために大事な評価だと思う。

「何かができるようになる」という目標の場合、その効果判定は、できたか、できなかったかの2択である。

数値目標も達成したか、達成しなかったの2択ではあるが、達成までどれくらいの距離があるかがわかることが良い点だと思う。

しかし、忘れてはいけないのは、数値目標の前に、その人にとっての目標をはっきりさせておく必要がある。

その原動力となる目標が合ってはじめて、数値目標に落とし込むことに意味が出てくると思う。

目標設定のテクニック的な要素で、数字に落とし込んでいる人もいるが、大事なのは目標が人にとっての原動力になっているという視点を持つことだと思う。

良い目標は、個人因子・環境因子により生まれる

より良い目標設定はどのように生まれるのか。

これは、個別性が求められる。

病院の症例発表では重要視されない要素ではあるが、個人因子や環境因子を可能な範囲で広げていくことが重要だろう。

そして、そのうえで、その人にとっての「強み」を見つけていくことが重要となる。

「強み」を重要したリハビリにストレングスリハビリテーションという概念があるが、それこそまさにより良い目標設定を体現している考え方だと思う。

障害を抱え、打ちひしがれている人がもう一度立ち上がるには、やはり、未来への希望をいだいてもらうしか無い。

その、未来をできるだけ鮮明にイメージするためには、その人の持つ経験に沿った未来を作り出していく必要がある。

そんな些細な情報であっても、細部までイメージを広げるためには役に立つはずだ。

昔の、思い出や、その人の趣味、気に入っていたものなど、

視覚や聴覚などの感覚までイメージを広げてもらうことだ。

イメージするだけでも楽しくなるようなことであれば、一歩出すのはそんなにも難しくないはずだ。

まとめ

目標設定は未来への希望をつくりだすもの。

その人の強みを踏まえた目標設定にすることで、原動力となる。

数値目標は、もとの目標に対する距離感を表すもので、本来の目標とは役割が異なる。

より良い目標は、自分の感覚でイメージできるくらい鮮明なものが良い。

自分の目標設定や患者さんの目標設定を考え直してみましょう。