仕事の記録

一年目理学療法士の自分に送るアドバイス

一年目の自分に今だったらどんな言葉をかけるのだろうか。

もしくは、どのような言葉をかけてもらいたかったか。

こんな言葉をかけてくれたら、もっと頑張れるのにというような言葉を書いてみた。

4月

入職おめでとう。

今日から、君は社会人になるんだね。

今までは、親や学校の庇護のもとで生活してきたわけだけど、これからは君が自分で歩いていく道を決めていく必要がある。

早い段階から、自分がどのような生活や人間になっていたいかを考えておくといい。

それが難しいなら、自分の憧れる療法士の先輩を見つけることだ。

幸い君は、最初の研修会でたまたま話をできる講師の先生の背中を自分の形で追いかけ続けることになるはずだ。

憧れとなる人の考え方や話し方、こだわり、読んでいる本など、徹底してパクるといい。

そうすることが何よりも近道だと思う。

そして職場では、まずは溶け込むことが重要だと思う。

スキルを高めていくためにも、同職種の先輩の知恵や経験を借りるほうが何よりも速い。

教えを借りるためには、先輩と人間関係を築いておくことが何よりも優先だ。

今後、いい仕事をしておいくためにも同職種はもちろん、多職種との人間関係の構築は最優先事項になると思う。

人間関係のコツは、相手に感謝することだ。

迷惑かけることを恐れるな。

迷惑を掛けるのが嫌だという人は、相手に「ありがとうございます」というのが嫌な人だ。

借りを作るのが嫌だなんて言ってないで、どんどん助けてもらうといい。

そして、お礼は仕事で返すことだ。

教えてもらったら、そのことに対して報告する。

そして、うまくいったときは「〇〇先輩のおかげです」と報告しよう。

本人にも直接言うし、職場の周りの人たちにも「〇〇先輩のおかげです」という言葉をいうようにするんだ。

そうすれば、〇〇先輩もたくさん教えてくれるし、その話を聞いている周りの人たちも色々と教えてくれるはずだ。

先輩が、教えやすいような人間になること。そして、教えてもらいやすい環境を自分で作ることだ。

7月

この時期になると、自分の業務がなんとなくつかめてくるような時期だと思う。

その反面、自分の臨床技術について、思い悩む余裕が出てくる時期だとも思う。

おそらく君は、自分の臨床が患者さんにとって本当にベストな方法だったのかと思い悩んでいることだと思う。

そして、もっといい正解があったんじゃないかと考えているはずだ。

確かに、学術的な正解はあったのかもしれない。

でも、それは、目の前の患者さんにとって正解になるのだろうか。

僕が、臨床1年目のときに、外部の先生から選択についての話を聞いたんだ。

その話は、つんく♂と忌野清志郎の話だ。

知ってるかな?

ふたりともロックミュージシャンで、ふたりとも同じ病気にかかったんだ。

病気の名前は「喉頭癌」

手術しなければ死んでしまう。しかし、手術したら声は出なくなる。つまり、ロックシンガーとしては再起不能になってしまう。

つんく♂は手術を受けて、家族と生きる道を選ぶ。忌野清志郎は死ぬまで歌い続ける道を選び、病気で死んでしまった。

どっちが正しいなんて言えるだろうか?

同じ病気にかかって、同じ選択肢があったとしても、どちらを選んでも正解になる。

つんくはつんくらしいと言われ、忌野清志郎は忌野清志郎らしいと言われる。

正解はない。

その事実をできるだけ早いタイミングで理解できるようになってほしい。

どんなことにも正解が存在すると勘違いしているはずだ。

それは、学校のテストまでの話。

これからの人生では、むしろ、正解がないことのほうが多い。

自分にとっての選択が正解となる。

もしくは、選択と結果があるだけだ。

正解を追い求めるのをやめるんだ。

求めるべきなのは、よりよい方法。

君の臨床技術は間違いなく周りの先輩より劣っているだろう。

そして、そのことに対して患者さんに対して申し訳ないと思っていることだろう。

しかし、君ができることは、今の君のできるベストをつくすことだけだ。

それだけ考えればいいんだ。

残業ができないなら、家に帰ってよりよい方法を調べたり、ノートに患者さんのことを書きなぐるんだ。

今までは、そのような努力を職場がさせてくれた。

しかし、これからは、君が自分で頑張らなければならない。

一見残業がなくなって、良い世の中が来たように思えるかもしれない。

これは、努力するヒトと努力しない人の差がどんどん開いていってしまうということだ。

気を強くもて!

自分の臨床に自信が持てないということはいいことだ。

その感情は、努力するためのエネルギーになる。

その不安を、自分の腕を磨く時間に当てるんだ。

自分で調べる、先輩に聴く、セミナーに参加する。

今は選択肢が広がった。

君のやりやすい方法で、君のベストをつくすといいだろう。

10月

だいぶ臨床が板についてきた頃だと思う。

これから君は、症例検討の時期になると思う。

最初に言っておく。

症例検討ができることは幸せなことだ。

症例見当のない職場もあると思う。

自分のために職場のスタッフの人達が時間をさいてくれることにまずは感謝することだ。

その感謝は、君が先輩になったときに後輩に返してあげよう。

ひとりの患者さんのことを、自分の限界まで考えてほしいと思う。

考えるためには、考えるための材料が必要だ。

それは、医学的な知識もそうだし、患者さんの身の丈話もそうだし、評価項目もそうだ。

もっと考えたほうがいいと先輩にレポートを返却されることもあるだろう。

それは、君の能力が足りないわけではなく、大半が材料不足だ。

ほとんどの場合、医学的な知識が足りていない。

医学的な知識が足りないと、どのような評価をしていいかもわからないし、先輩のフィードバックを聞いても理解できない。

考えが足りないと言われたら、急いで、関連する文献を読み漁ろう。

そして、先輩に読んだほうが良い文献や書籍を聞いてみるといい。

君に理解してほしい内容のものを提供してくれるはずだ。

ひとりの患者さんのことをこれだけ深く考える機会はなかなかないよ。

できるだけ自分で深く考えるんだ。

そして、症例発表の場では、先輩たちに持った考えを深めてもらうといいだろう。

たしか、君は渾身のレポートを作ったはずだ。

周りの先輩からも良くできていると褒められたと思う。

でも、職場の長にもっと深めろと厳し目に言われて、悔しくて泣いて帰ったと思う。

それで良かったんだ。一生懸命やって、最高のできだった。だから悔しかった。

泣けるだけ頑張ったんだ。

いまでは、長に感謝している。

それができたのは、それだけ一生懸命頑張ったからだ。

3月

来月から君は2年目になるんだね。

一年、理学療法士をやってみてどうだったろうか。

患者さんや職場の人間関係で思い悩むこともあったと思う。

理学療法士なんて自分には向いてないと思うこともあったと思う。

でも、一年間頑張った。

間違いなく、一年前の君よりも成長しているはずだ。

まずは、一年頑張った自分を褒めてあげてほしい。

来月からは新しい新人が入ってくる。

後輩に色々と教えることも増えるだろう。

その前段階として、自分の言葉でしゃべる練習をしておくといいだろう。

感覚として捉えたことを言葉で表現するんだ。

これは、自分の考えを深めるためにも重要なことだ。

言われた言葉をそのまま繰り返すのではなく、自分なりの考えに落とし込んで話すことだ。

今度は先輩として、一年目の後輩を導いてあげられるような人になっていってほしい。

できるだけ、後輩との関わりを持つことだ。

先輩にしてもらったように。先輩にしてもらわなくてもそうするといいよ。

自分がしてもらえて嬉しかったことを。もしくは、

自分がしてほしかったことを後輩にしてあげるんだ。

そしたらまた、一年後には成長した自分になれているはずだよ。

また一年頑張って。