仕事の記録

社会人1年目の教育を考えよう【PT新人教育プログラム】

今回書いていきたいのは、理学療法協会の新人教育プログラムをどうするべきか?ではなく。

自身の職場における新人教育をどのようにしていくべきかを考えていきたい。

多くの職場では、プリセプター制度をとっており、若手PTが1年目PTを教えるような形が取られている。

その仕組自体は合理的だが、もう少し大きな枠組みで考えていきたい。

もし自分が今1年目のPTだったらどのような教育を受けたいかを書いていく。

あくまで、自分がどう思うかという話なので賛否両論あると思う。

しかしながら、教育のことを自分なりに真剣に考えてみた。

教育は組織や人に対する投資であり、緊急に取り組む必要はないが重要な事柄である。

社会人1年目における罠

社会人一年目にはリスクが潜んでいる。

それは、ガードの甘い人間や情報弱者を食い物にする人間の標的にされてしまうということだ。

理学療法業界でもネットワークビジネスの勧誘が増えているなどの報告を多く聞く。

今までは、それほど多くなかったになぜ、最近になって増えてきているのか。

その原因として「働き方改革」が挙げられると思う。

今までは、平気で残業。休日は研修会、のように理学療法士の日常には、その他の要素が入り込む余地が殆どなかった。

しかしながら、近年では、残業は限りなくゼロ。休日の研修会は個人の判断での参加のような形になってきている。

はっきりいって、最近の新人は時間を持て余していることが多い。

医療業界の人間というのは基本的にガードが甘い。

他の食うか食われるかの世界と比べたときに、誰も犠牲になることなく進んでいるのが医療業界だと思ってもらっていいだろう。

せいぜい、仕事量の不満をたらたらこぼす程度なのではないだろうか。

しかし、保険の壁の外では、一歩間違えたら会社に大損害を与えるようなことや食い物にされるようなことが日夜繰り返されている。

個人を相手にしている営業の仕事なんて、まったくもってだまし討ちと同義なのではないだろうか。

なるべく相手の知らないフィールドで、粗利を抜き取る。

知らない人間が悪いのであって、知らないという立場を巧妙に利用し、自分の成績として計上していく。

そのような環境で仕事をしている人間からしたら、保険の壁に守られている人間がふらふら歩いていたら、それは格好の餌食だろう。

そういう私も、独立したときに集客ソフトの営業に絡め取られた経験がある。

途中で契約を解除したが、16万近いキャンセル料をむしり取られてしまった。

やはりガードが甘かったのだ。

この場合、食い物にする人間をせめても問題は解決しない。重要なのは、私達の防御力を高めることなのである。

賢いのはGoogleであって、お前は1mmも賢くない

自分が何かを知っているような気になることには注意が必要だ。

実際に、お前が自分の頭で考えたことなどどれほどあっただろうか?

実際には、ネット上に転がっている正解をそのままなぞっていることが多い。

ありがちな罠で、色々なことを知っていると勘違いしてしまうのだが、実際には自分の頭で考える癖がついていないのではないか。

改めて言いたいが、自分の頭で考えることが重要なのだ。

「賢いのはGoogleであって、お前は1mmも賢くない。もっと自分で考えろ!」この言葉を新人の頃の自分に言ってやりたいものだ。

ましてや、ネットワークビジネスにハマってしまう人間などまさにそうだと思う。

与えられた情報を吟味することなくそのまま盲信している。

僕が直接あった人では、何をするにも上の人の判断を仰いでいると言っていた人がいる。

その人自身も結構な地位に上り詰めているように見えたが、何かをするときに自分で判断をしないくせをつけられている。

私も、職場の同僚から勧誘を受けた経験がある。

そいつは、上からの教えを怪しんでいながら、自分を欺き信じているような印象を受けた。

そうなってしまうと、もう自分で修正することは不可能だろう。

思考停止に陥り、言われるままに走り続けることしかできなくなってしまう。

時間の多くを犠牲にした上に人間関係を失い、自分の頭では考えることのできない癖がついていたかもしれないと思うと、自分がその道に入っていたらと思うと甚だ恐ろしい。

ゴールは自分で考えられる人間になること

教育を考えていく上で重要なことがある。

職場の新人教育をどのような立場に設定するかということだ。

これにより、教育の方向性は大きく異る。

昔は、軍隊方式で、自分の頭で考える人間よりも言われたことをそのまま盲信するような人間がたくさんいたほうが都合が良かった。

なので、会社の洗脳教育は十分に有効な役割を果たしていたと言えるが、今後の世の中の流れを考えると、それだけでは不十分と言える。

言われたことをそのままやる人間は、つけこまれやすい。

わかり易い例なので、たくさんでてくるが、ネットワークビジネスが職場に入り込んできてしまったら最悪だろう。

職場の秩序が失われてしまう。

現実にそのような現場は増えてきているようだが。

なので、今までの洗脳教育とは180°方向転換をする必要があると考える。

最終的なゴールは自分の頭で考えられるような人間を育てることである。

自分の頭で考えるためには、自分の考えを構成するための情報が必要となる。

洗脳教育では、一つの情報しか渡さずにそれが正解だと教え込む。

それ以外の選択肢がないのだから、自分の頭で考えることもない。

人はそもそも自分の頭で考えるのが苦手な生き物だ。

これが正解!と言われたことをそのまま信じ込むことがある意味「快」の状態だろう。

宗教なども、一つの正解でありそれ以外の答えは求めていない。

自分の頭で考えられる状態とは、数ある選択肢の中から自分の考えを構成しておく能力だと言えるだろう。

この初期の段階では、いろいろな価値観にふれることが重要だと考えている。

そのベースを積み上げた上で、情報を比べ、自分の選択を作るという段階まで進めていきたい。

なので、思考の材料となる情報を詰め込むことが最初の段階だ。

あらかじめ、情報を与えておくことで、全く知らない事柄に出会ったとしても、比較する対象となるだろう。

自分で考えることのメリット

メリットはたくさんあるだろう。職場の活性化や、その人自身の価値の向上。ガード力強化などなど。その人自身の価値も高まるし、職場も活性化するはずだ。

自分で考えられることのデメリット

転職・退職のリスクが高まる。

これは仕方のないことだ。

職場の人間の能力が高まるということは、転職市場での価値も高まるということだ。

しかし、短期的に見ると人員の確保で苦労することにはなるだろうが、長期的に見たときには、教育に力を入れている病院・施設と認識されることは新卒PTの確保という視点で考えると複利で効果を発揮するのではないかと思う。

一般企業でも、リクルート出身の人間やセールスフォース出身の人間は市場価値が高い。

有名所でも、Googleは平均一年弱で退職してしまうそうだが、入職希望者は後をたたない。

教育とは、病院や施設にとっても人材確保の武器になる。

リハビリテーション科を運営してく上で、高い給料を保証することは現実的には困難である。

管理職側は、給料の交渉はしているというところで思考停止になってしまいがちだが、スタッフに対価として渡せるものは金だけではない。

よりよい教育こそが、何よりも重要な資産になるのである。

言い方を買えるなら、高い給料を支払うことが難しいなら、高い水準の教育を提供することに力を入れるべきなのだ。

これを実現しているのは、臨床手技が統一されている病院だと思う。

給料面では恵まれていないが、高い治療技術の教育環境を提供している。

そのような病院だと新卒での入職希望者や中途入職希望者が後をたたないと思われる。

僕も、施設に所属していた時代は、給料面での伸び悩みが目立っていたので、教育プログラムを作り直した経験がある。

そのときに考えていたのは、施設オリジナルの教育と施設外で役に立つPTとしての教育を1:1の割合で提供することだ。

それを体系化し、毎年同じ水準のもの、もしくは前年のものよりも改定されているものを提供する。

長期的に見たときに効果を発揮するような仕組みを作れたのではないかと思っていた。

教育は3つに分けて構成する

しかし、経験を重ねる上で、教育についてかけていた部分が一つあったと感じている。

それは、ガードを固める要素の欠如だ。

先程も述べたが、保険の壁で守られていた世代が新人にガードの力を教えることなど不可能だ。

なので、ほっといたら、ネットワークの人間が職場を荒らすことになるのは時間の問題だ。

なので、教育を構成する要素としては①職場のオリジナル教育(洗脳)②一般PT教育③マネーリテラシー(ガード力)の3つの要素から組み上げていくことが望ましいのではないかと考えている。

職場のオリジナル教育(洗脳)

洗脳と書いていることに悪意はないが、自分の職場でしか通用しないルールをしっかりと教え込む必要がある。

この教育は、職場が変わってしまうと全く役に立たない。むしろ悪影響を及ぼすことすらある。しかし、自分の職場の業務をスムーズに進めていくためには役に立つはずだ。

おそらく、職場の先輩の経験やルールなどを教え込むと効果的だろう。

書類の書き方から、物の位置の情報、一日の業務の流れなど、重要な項目から順番に仕分けをして教えるといいだろう。

この項目は、プリセプターが何となく教えていることが多いので、体系化してしまうことが望ましい。

先輩のコツをコツコツ積み上げていくことだ。

今までの前提条件が通用しなくなっている現場もあるので、そのような職場では新しいマニュアルを作成することも必要となるだろう。

この内容は、中途採用の人に対して行う教育にもなってくるので、しっかりと作り込んでおくことをおすすめしたい。

この項目のゴールは新人・中途採用ともに職場にいち早く溶け込むこと。業務を円滑に行うことがあげられる。

一般PT教育

これは、臨床家としての教育が該当する。

PTとして他の臨床の現場に行っても役に立てることができる能力なので、個人と資産となるような教育である。

また、ここの水準が高いと病院としてのブランディングも成功しやすいため、重要な要素だろう。

外部講師を呼ぶなどする方法もあるので積極的に取り入れることをおすすめしたい。

これは新卒向けの内容だ。PTとしての能力を高めてもらうことがゴールとなる。

中途採用者には無理に提供する必要はない。

マネーリテラシー

この視点はあまりないところが多いと思う。

しかしながら、社会人として、一般教養として重要な項目だ。

なぜなら、ここの知識こそがガード力そのものであるからだ。

知識を高めておくことで不必要に不安を煽られることも減っていくはずだ。

今、僕がもっと早く知りたかった知識のナンバーワンがここの教育だ。

この項目のゴールは、お金に対する知識を高めることだ。

貯金ができないのは、職場の給料が安いからなどと言わない人間に育て上げること。そして、社会人として胸を晴れるだけのお金の教養を身につけることだ。

新卒には知っておいてもらいたい内容である。

マネーリテラシーのすすめ

マネーリテラシーと聞いてピンとこない人は多いのではないかと思う。

簡単に説明するとお金の教育のことである。

お金をどうやって稼ぐかという視点も大切だが、どのように使っていくか、どうやってお金を守っていくかという知識をつけていく必要があると感じている。

この教育は、当然だが理学療法士に限らず社会人全般に必要な知識であると言えるだろう。

どのように構成していくかというと、3つの書籍をベースに構成していくことを提案したい。

内容としては、

①資本を蓄積する②資本を守る③資本を活用するという3段構えで構成しよう。

資本を蓄積する「バビロンの大富豪」

最初の教育としては、資本を蓄積することだ。

提案したいのは「バビロンの大富豪」という書籍だ。

漫画版も出ているので、一読することをおすすめする。

収入の1割を自分のために使うことということがかかれている。この点で重要なのは自分の欲求をコントロールすることだ。

自分の欲求をコントロールする能力、自制心をつけるということは何においても重要な要素になってくるはずだ。

早い段階で、自分の欲求に振り回されない能力が身につくと自分の持っている能力を飛躍的に高めていくことが可能となるはずだ。

この考えがあれば、貯金ができない理由が職場の給料が安いからとはならない。

自分の欲求をコントロースするすべを持っていないお前が悪い。

ただ、この事実に対して文字に起こせるような内容で説明を受けることは、少なくとも学校ではない。

感覚的にわかっていることを文字ベースで理解することは、自分の思考を整理するためにも重要なことだ。

漫画 バビロン大富豪の教えposted with ヨメレバジョージ・S・クレイソン/坂野旭 文響社 2019年10月04日楽天ブックスAmazonKindle

<書評>結局原作『バビロンの大富豪』

2020.02.14<書評>結局原作『バビロンの大富豪』

資本を守る「ナニワ金融道」

ナニワ金融道(1)新装版posted with ヨメレバ青木雄二 三栄 2016年05月18日楽天ブックスAmazonKindle

次の本は、漫画だ。

僕は、Kindle Unlimitedでまとめて読んだが、この漫画を読むことでお金の防御力は飛躍的に高まるはずだ。

特に、ネットワークビジネスの話も出てくるので読んでいて損はないだろう。

この本の中で食い物にされるのは、自分の頭で考えない人間である。

他人から言われたことをそのまま鵜呑みにしている人間はむしられるのである。

「守り」を重視するか、「攻め」を重視するかという論争もあるが、現代社会においては守りを重視したほうが効率的だと言えるだろう。

「攻め」つまり稼ぐことをすれば、自由な時間が減るので付け込まれるスキを与えないから守りになるという方法は働き方改革の現代においては困難な方法だろう。

ちなみにではあるが、「攻め」重視派の大富豪のアニキは、一日14時間の労働を進めている。

個人ベースであれば実現可能だが、職場ベースでは困難な方法なので守りベースで組むといいだろう。

【書評】人生を変える出会いになる『大富豪アニキの教え』

2020.02.05【書評】人生を変える出会いになる『大富豪アニキの教え』

資本を活用する「金持ち父さん貧乏父さん」

改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学posted with ヨメレバロバート・キヨサキ/白根 美保子 筑摩書房 2013年11月楽天ブックスAmazonKindle

資本を守った先には、どのように運用していくのかを考えたいところである。

お金を支出として計上するか、負債として計上するのか。

重要なのは、資本を蓄積していくことである。

いきなり資本を活用することに力を入れるよりも、ガードを固めてから行うということが重要である。

活用していく段階では色々調べることになるだろう、ガードの能力がないと標的になりやすいので注意が必要だ。

この本を読むこで、自分がどのようなことに時間とお金を費やすべきかを考える切っ掛けとなるだろう。

ほんとにそれ買う必要あるのか?

それが、資産になるって自分の言葉で説明できるか?

僕は、最初に簿記を勉強したが、この本を読んだほうがわかりやすいし、本質をつかみやすいと思う。

あとは、この本を引用して勧誘してくる人間に、「お前ほんとに読んだことあるか?」と胸を張って言えるようになる。

本が苦手でもエッセンスをYoutubeで解説してくれている人も増えているので目を通しておくといいだろう。

【書評】不労所得ではなく勉強することの大切さを教えてくれる本『金持ち父さん 貧乏父さん』

2019.12.27【書評】不労所得ではなく勉強することの大切さを教えてくれる本『金持ち父さん 貧乏父さん』この本の名前くらいは聞いたことがある人は多いのではないだろうか。 Twitterでもマルチや怪しい話で、不労所得がどうのこうのと説明されるときにこの本が引用されることがある。 だが、本自体の内容は誰もが知っておきたいものである。 この本の初版が、2000年だというのにも…

教育はそれぞれのフェーズに応じたものを提供する。

今回は、新人に教えたほうがいいものについて考えてみましたが、必要な年数のときに必要な教育をする必要があると感じています。

個人的には、3年目~5年目あたりにキャリアの教育をしたほうがいいかなとも感じています。

今は簡単に転職ができる時代ですが、簡単に転職するのではなく、それまで蓄積した資本をどのように活用していくかという視点を持ってもらえると本人にとってより善い方法を取れると感じています。

本を紹介すると、「転職の思考法」「医療・介護職の新しいキャリア・デザイン戦略」あたりを読んでおくといいでしょう。

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む転職の思考法posted with ヨメレバ北野 唯我 ダイヤモンド社 2018年06月22日楽天ブックスAmazonKindle

医療・介護職の新しいキャリア・デザイン戦略〜未来は、自分で切り拓くposted with ヨメレバ三好 貴之/細川 寛将 ロギカ書房 2019年10月25日楽天ブックスAmazonKindle

職場で経験を積み始めた若手が、自分の力を活かす方向性を示すことがこの段階では重要だと考えます。

この段階で、キャリアの教育をしておくと不必要な退職を減らすことにもつながるので積極的に取り入れることをおすすめします。

教育への投資は不可欠

新人教育は組織における重要な投資といえるだろう。

どの環境においてもそれぞれの組織に適した教育のあり方があるはずだ。

たとえ、環境を整えたとしても、それを活かす人間と生かさない人間は分かれることだろう。

馬が水を飲むかは馬の問題だが、水場を作るかどうかは職場の問題だ。

職場において教育プログラムを整えるということは重要なことではあるが、緊急の事柄ではない。

さらに、自分は受けることのできなかった教育を後輩のためにわざわざ自分の時間をさいてまで整えることのできる人は多くないと思う。

しかしながら、組織を強くそして、自分自身の市場価値を高めていくためにもぜひ整えてほしい。

教育体制を整える中心となることは、その組織内部における自分のポジションが高まることは間違いない。

管理職につくことよりも、あたらしい教育を受ける人達との人としてのつながりは間違いなく強化されるはずだ。

それ自体、自分にとっての信頼資産になることは間違いがない。

小さな職場こそ、自分の上司や上長に掛け合い取り組んでみるべきだと思う。

間違いなく自分にとって価値のある経験になるはずだ。

まとめ

教育体制は、職場教育、PT教育、お金の教育を行うことをおすすめしたい。

環境を整えることは重要なことだ。それを活かすかどうかは本人次第。

しかし、真剣に職場を良くしたいのであれば避けることのできない要素であることは間違いない。

ぜひ取り組んでみてほしい。