理学療法

「気持ちいい」って何覚になるの?【神経・生理学】

疑問

いろいろな感覚をうけることはありますが、「気持ち良い」感覚は一体どのようにして生まれるのでしょうか?

今回は、そのような疑問に対して、調査してみたので書いていきたいと思います。

いわゆる、「快」の刺激は、他の感覚のように外部の刺激を脳に送り届けるものではありません。

どちらかというと、外部の刺激が人間にとって良いものかどうかを判断し、行動を強化するためのスイッチのようです。

なので、いろいろな感覚により、「気持ち良い」感覚が引き起こされます。

人間の感覚【5感】

人間の感覚は大きく分けて5つあると言われています。

味覚、視覚、聴覚、触覚、嗅覚の5つですね。

第6感というと、5感を超えた感覚という意味で、心理的な比喩を表すので今回の話には関わってきません。

他にも、感覚には振動覚や平衡覚など、人間には数多くの感覚があります。

体性感覚→表在感覚と深部感覚

  • 表在感覚:触覚、温覚、冷覚、痛覚、食感など
  • 深部感覚:運動覚、圧覚、深部覚、振動覚

内臓感覚

  • 臓器感覚、内臓痛

特殊感覚

  • 視覚
  • 聴覚
  • 味覚
  • 嗅覚
  • 前庭感覚、平衡感覚

その他

  • 平衡覚
  • 固有感覚

それぞれの受容器から、刺激を受け取り、その刺激を電気信号に変換し、脊髄、脳まで送り届けることで、感覚として認識されます。

それでは「気持ちいい」感覚というものはどこに分類されるのでしょうか?

「気持ちいい」は何覚?

人はどのような時に、気持ちいいと感じるのでしょうか?

マッサージを受けたり、温かいお風呂に入ると気持ちいいと感じますよね。

「快」の刺激だと、甘いものを食べるときも気持ちが良くなりますよね?

この場合は、糖質により脳内麻薬が分泌されている状態なので、おいておきます。

(糖質摂取→ドーパミン放出→快感)

どうやら、「快」の感覚は特殊感覚よりも皮膚感覚と綿密な結び付きがあるようです。

体性感覚の神経経路を考えると、機械的受容器が刺激を広い、伝達速度の早いAβ求心性線維、もしくはC線維により刺激が伝達されます。

伝達速度の差は体を守るために、早く届けなければならない刺激かどうかの差であることは、学校の教科書でも解説されていたと思います。

どうやら、このC線維により伝達される感覚が「快い感覚」と結び付きがあるようです。

生存目的ではAβ線維が役割を果たし、社会的脳の発達・機能で基盤の役割を果たしているのがC線維につながる機械的受容器になります。(C低閾値機械的受容器)

社会的器官としての皮膚

高度な社会の到来とは、視覚や聴覚に頼ることが増えることを意味します。

社会的な情報を集める方法としては、この2つの感覚に依存することが多いです。

しかし、「触」はいろいろな方法で、社会的な知覚を仲介しています。

優しい撫での触は、血圧を減少させ、一時的に共感的な反射を増幅させ、痛み刺激への閾値を高めます。

これは、優しく撫でることにより、脳の報酬回路が働くことによります。

親密な社会的触は特に触覚求心性神経を刺激します。

これにより、μモルヒネ様物質システムの神経科学的メカニズムが、「快」の感覚を発生させます。

この感覚により、行動は強化され、人間同士の社会的絆を強めることにつながっています。

触刺激を与える側も、与えられる側も両者ともに激しいストレスへ生理学的反応を軽減させます。

つまり、触れることや触れられることによりストレスに強くなるのです。

快の刺激により、行動は強化される

「快」の感覚はたしかに感じることのできるものです。

しかし、他の外の情報を中に伝えるという役割を果たしているのと異なります。

「快」は外部の刺激をさらに誘発するために、人間に組み込まれた行動へのスイッチです。

母親が子供を育てるときに、「触」刺激が心地よいものと、触れる側にも触れられる側にも覚えさせます。

その反応により、子供を育てるという行為が、動物レベルの反応としても促進されるのでしょう。

気持ち良い感覚は、外からやってくるのではなく、内側から生じるものということは覚えておく必要がありそうですね。

まとめ

「気持ち良い感覚」というものは、外部からの刺激から生まれるものではなく、内部での反応により生じる。

その内部の反応を誘発する方法としては、弱い触覚刺激が有効である。

これは、人間の社会的な活動を促進するために、組み込まれたやる気スイッチのようなものである。

『触覚による弁別と情緒:感覚と感情(McGlone,Wessberg,and Olausson,2014)』