理学療法

〈研修レポ〉ストレングスリハビリテーション

8月11日に開催された、在宅リハビリ研究所の吉良健司先生による、「介護保険領域における生活昨日の予後・予測~活動・参加につなげるストレングスリハビリテーション」に参加してきました。

一年前に、吉良先生の活動・参加につなげる訪問リハビリテーションという講義を受講して衝撃を受けたました。

その中で、ストレングスリハビリテーションという考え方に触れ、一日を通して行われる講義にぜひとも参加したいと思っていました。

そのなかで、東京開催ということで満を持しての参加となりました。

日本はどこへ向かっていくのか

どの講義を受講したとしても、今後の日本がどうなっていくのかという話を避けることはできません。

今後の未来を踏まえた上で私達に何ができるのか。

事実を受け止めることで対策を考えることができます。

今後の日本は、「一億総活躍社会」に向かって進んでいきます。

忘れがちですが、テレビでは安倍総理がよくこのような発言をしていると思います。

この方向性に沿って、財務省も厚生省も動いていくことになるので、当然、医療職もこの方向性に乗っていく必要性があります。

リハビリテーションとはなにか

リハビリテーションは、医療の一部に限局して捉えるべきものではない。

人としての復権である。

人としての復権の中核にあるのは、アイデンティティ-の再構築である。

病気により一度その人の身体性のアイデンティティーは崩壊します。

しかし、そこから社会の中で、他社との役割関係としてのアイデンティティーを再構築していくのです。

人生100年時代の価値観とは

私達は、ずっと若い頃の健康な体でいることはできません。

40歳を過ぎてくると、何かしら体に症状が出てくるはずです。

60歳をすぎると、体は衰え始めます。

つまり、人生100年時代とは、人生の4割近くを自分の体に何かしらの症状ないし障害を抱えたまま生きることになるでしょう。

そのなかで、重要なのは

年をとっても

病気があっても

障害があっても

幸せをみんなで育むことができる

という価値観だと思います。

仮に、介護を受ける人がいたとして

その人に元気がない、弱者に見えるとするならば

それは、現行の医療・介護システムがそうしていると考えることができるのです。

医療・介護の理想と現実

病気を発症してから、それぞれのステージにそれぞれの役割があると思います。

生活期リハにて、活動・参加につなげ、そこから生きがいのある生活を送ることが理想と言えるでしょう。

しかし、現実には抑うつや転倒などにより寝たきりの生活になってしまうことが多い。なかなかうまくいかないもんです。

ビュートゾルフ

日本では、うまくいってない現状があります。

それげは、海外はどうでしょうか?

先生は、オランダのビュートゾルフという訪問看護の組織に注目しています。

ビュートゾルフは何がすごいのか。

ただのひとつの企業が、在宅ケアのコストを半分にまで下げ、オランダの政府から推奨されるようになったそうです。

ビュートゾルフは新規の利用者と、コーヒーを飲むことから始めるそうです。それも2時間。最初にしっかりと相手のことを理解することから始めるそうです。

私もその話を聞き、最初は話を聞くことに集中しようと思い実践したことがありましたが、リハビリをしてくれないとクレームをもらった記憶があります。

日本の組織では、まだ難しい方法だと思います。

医療モデル

ストレングスモデルを語る前に今まではどのような実践モデルだったのかを確認しましょう。

病院で行われるリハは医療モデルです。

医療モデルは、個人の弱みに着目し、心身の正常への回復を目的とします。

病院の環境では一番合理的な選択と思います。

次に、生活モデルは、個人の環境に着目し、自立した生活や環境への目的を目的とします。

最後にストレングスモデル。これは個人の環境と強みに着目します。目的は、主体性の回復、生きがい、家庭や地域での役割の獲得です。

これは、人としての復権に向けた実践モデルと言えるでしょう。

ストレングスアプローチ

ストレングスモデルを提唱したのは、カンザス大学のチャールズ・ラップ先生です。1998年に提唱したモデルなので、まだ20年くらいの歴史の浅い考え方です。

日本では、2009年に大阪市立大学の白澤先生がストレングスモデルのケアマネジメントを提唱しています。

さらにさらに、その源流はパラリンピックの生みの親。グッドマン博士です。

当事者には「失ったものを数えるな。残っているものを活かせ。

支援者には「保護より機会を!」といった言葉を送っています。

元気のない人は、失ったものばかり見ており、残っているものが見えていません。逆に笑顔の人は、自分に残っているもの(強み)に意識が向いています。

つまり、ストレングスアプローチとは、本人を強みへと誘導することで、幸福感を高めていく過程と言えると思います。

SWOT分析

ストレングスアプローチの武器。SWOT分析について解説します。

もともとSWOT分析は1960年代にアメリカのアルバート・ハンスリー氏によって、企業評価のためのツールとして開発された手法です。

強み(Strengths)

弱み(Weaknesss)

機会(Opportunities)

脅威(Threats)

この4つをかけ合わせ、戦略を立てていきます

SWOT分析をやってみて感じたのは、4つを意識して、カテゴリー分けをするだけでも効果があるように感じました。

まとめ

ざっくりと研修の内容を解説しました。この考え方を知っておくだけでも、在宅でのリハが変わるような内容でした。特に重要なのは、その人の弱みに着目するのではなく、強みに着目させ、幸福につなげていくことだと思います。

興味のある方は、吉良先生の講義を直接聞くことをおすすめします。

自分の価値観がひっくり返ります。

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